夢を目指している人を見ると 輝いているように見えます。
けど、そもそも「将来の夢」とは何なのでしょうか?
少し、考えてみましょう。
「将来の夢」って?
「将来の夢」は、誰もがどこかで語ったことのあるテーマじゃないでしょうか。
小さなころから、若者世代まで。
「ケーキ屋さんになること」「サッカー選手になること」「Youtuber になること」
「海外に住むこと」「国連で働くこと」「有名なミュージシャンになること」… …。
これらの「夢」に共通しているのは、
“今まだ実現していないことを思い描き、”
“ある到達点に達すること” にあります。
では、もしも実際に「その到達点に達したら」どうなるのでしょう?
たとえば、「有名なミュージシャン」になりました。
次は、「有名なミュージシャンであり続けること」が目的になるでしょうか。
ここで、AとBの二つのケースを考えます。
Aは 念願の歌手になりました。しばらく何年間かはヒットし続け、好調です。
ところが、時間が経るにつれて 何十といる他のライバル歌手たちの台頭もあり
以前と比べて、自身の知名度も少しずつ低下。
そのことを実感する中、日々不安に駆られ 「このままでは」とストレスも感じ始めています。
Bも、同じように念願の歌手になって Aと同じ道を辿りました。
しばらくして、売れなくなっていく。でも、Bはあまりそのことを気にしていないようで
今度は地方に行って、小さなコンサートなどを企画しているようです。
この違いは、どうして生まれるのでしょうか?
「理念」
これは、「夢」と「理念」の違いにあるのではないでしょうか。
Aは「夢」を達成し、「自分自身」=「有名なミュージシャン」としてのアイデンティティを見出しています。
ですから、「有名なミュージシャン」として うまくやれていない自分がいたときに、そのギャップに苦しみます。
では、Bのほうは なぜAに比べて思い悩まないのか…。
ひとつの理由に、「理念」を抱いているから、があると思われます。
たとえば、「夢」で思い描いた通りに うまくいかないときも、あるかもしれません。
でも、Bのほうは、「有名なミュージシャン」であることは あくまで自分の一部分であり、
ほんとうにやりたいこと・・・
「歌や音楽を通して 人がつながったり、互いに楽しんでいるのを 実感すること」に対して、
とても強い自覚を持っています。
「理念」は、
「自分がどんなことに喜びを見出しているか」を理解した上で、
「誰かのため」や「何かのため」も意識して、自身の姿を 柔軟に変える準備ができていること。
もちろん、「~になること/~であり続けること」によって、非常に充実した生を遂げることもあるでしょう。
ただ、それが全て完全に思い通りに行かないとき・・・
「人に対してどう貢献していたいか」をより肌で自覚し、実践し続けて 認められる過程によっても
同じく 充実した生に近づけるのではないでしょうか。
「夢」と「理念」
「夢」は将来の点であり、瞬間的であり、自分の外にある一方、
「理念」は現在の線であり、持続的であり、自分の内にあります。
「夢が大事だ」と言われる昨今。
ですが、「いま私たちが抱いている理念」を語り合うことにも より意味があるのではないでしょうか。
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