前回、夜中にはるばる到着してから。
与えられた部屋で十分休息をとり、朝に目覚める。
日本の外で、初めて泊まる他の人のお家に
改めてちょっとドギマギしつつ、リビングへ向かう。
昨日出迎えてくれた、Michaelがいた。
「あ、起きたか!よく寝られたかい?」と聞いてくれる。
コーヒーをいただきつつ、そこからお互いのことを 少しずつ話していく。
ギターや音楽が好きとか、日本の友人はいるが 旅人として迎えるのは初めてということ、普段の日常はどう過ごしているかとか・・・。

ちょっと余談だけれど、
いろんな話題を持っていることが、大事だなと感じた。
会話力とかコミュニケーション力というのは、
何も同年代の仲間うちでふざけあったりすることだけじゃなく、
自分と異なる人(年代/国籍/人種/性別/趣味)と、どう ゼロから関係を深めていくためにアプローチできるか、ということでもあると思う。
仕事。音楽。宗教。映画。政治。
あらゆる切り口になっても、一定でも話せるようになれば、
もっと相手からいろんな話を引き出すことができるし
関係をより発展させていくことができる。
だから、いろんなことを事前に学んでおくと、 役に立つ。
欧州横断を決めて、初めての国での会話に、強くそう感じた。
さて、Michaelは俳優をしてるらしく、その日もお昼頃から仕事のようだった。
まだ4~5歳という娘のMia (仮名)もいて、彼女も 幼稚園に連れていくとのこと。
今晩からごはんをつくってくれるとうれしい、お金は渡すから。と言い、
人数×食材分のユーロを渡される。
「楽しみにしているよ」とにこやかに笑いかけつつ、家を出ていく。
それを聞いて、自分もやる気になってくる。「何作るかな!」
日本食のいろんなレシピが 頭の中をめぐり、
それを初めて食べてくれる姿を想像していく。
まだ疲れも多少残っていたので、午前中もベットで休んでから
午後に出かけて ひとまずルクセンブルク市内を散策することにした。

しばらくの探検を楽しんだ後、
夕方ころにアジアンマーケットに寄って、素材を買い集める。
ただ、あくまでアジアンマーケット。 中国製の食材が多くて、
純日本製となるものは あまりなかった。うーむ。
いろいろと妥協案も経ながら、買い占めていく。
人数分もあるしな。
ちゃんとうまくいったものが作れるかな。楽しみ半分、不安半分だ。

ちょうど晩ご飯の1~2時間くらい前に帰宅し、さっそく準備をする。
キッチンで素材を切ったり、フライパンに油を注いだり。
結局何をつくろうとしたかというと、かき揚げそば である。
なぜかき揚げそばだったのか、ぼくにもよくわからない。
だが、あのかき揚げとそばとつゆを一緒に食べたときのおいしさを 感じてもらいたい。
謎に、そう思えていた。
ご近所の友人もうわさを聞きつけてきて、みんなでディナーだ。
日本でいうお盆とか茶碗的なのがなかったので
スープ用のボールに めんつゆを注いでいく。
油を張ったフライパンに、てんぷら粉もどきをまぶした 野菜の一群を入れていく。かき揚げの良いにおいがしてくる。
それをお皿にいれて、三人分と出していく。
娘のMiaにはお母さんのMariaと一緒に食べるそう。
味はというと・・・

「いいね!」との評価が。
なんていう名前の料理なの?という質問に 「Kakiage-sobaだよ」と答える。
「Kakiage…」その日以来、このワードを何度か繰り返してくれた。
ぼく自身も食べてみたが、悪い出来ではなかったと思う。
何より ワインと一緒にいただくかき揚げそばは なかなか新鮮だった。
この日以来、2~3日間くらいに続けて
焼きおにぎり、照り焼きチキン、お好み焼き、カレーライス と続けて作っていった。
焼きおにぎりなんかは 突然作ろうと思ったから 形が崩れてボロボロになってしまったりしたけど、味はどれも 好評価だった。
「人に料理をつくるって、楽しいなぁ」
そう感じた、ルクセンブルクでの滞在だった。
そして、最後の晩を迎える。
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